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新聞

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 明治二十年代に創刊された『北海新聞』『北海道毎日新聞』『北門新報』については、市史第二巻に述べられているとおりである。この時期の新聞は、これらの改題あるいは合同によるものが見られる。『北海タイムス』は『北海道毎日新聞』『北門新報』『北海時事』三社の合同紙で、三十四年創刊時の号数(4235)は『北海道毎日新聞』より継承したものである。『北海タイムス』の「発刊之辞」(明34・9・3)によると、三社はそれぞれ競合関係にあったが、発行紙数はといえば各社わずかに五、六千部の域を出なかった。これではとても「全道普及の新聞」とはいえないとし、「時勢の進運に鑑み従来三社間に存立する幾多の歴史と感情とを抛擲」し、「全道に普及せる一大新聞を発行する」ために三社が合同したことが述べられている。
 明治・大正期に見られる主な新聞は表7のとおりであるが、『北海タイムス』の他にも合同紙(札幌毎日新聞)があり、また改題紙は特に多く目に付く。『北門新報』はその例である。同紙は数多い新聞の中の名門紙であり、その題号は新聞人にとって憧れの的であったことは、小樽と札幌で合計六回もの発刊(表7の中だけでも三回見られる)を繰り返したことで裏付けられている(北海道・樺太の新聞雑誌)。
表-7 明治・大正期の新聞(明33~大11)
新聞名年月日区分社長,主宰,
主筆,理事等
備考
新北海明33. 9.25創刊入山祐次郎実際の経営は村上祐
北門新報 34. 4続刊村上祐北門新報』を買い取り継承
北海道報 34. 5.30創刊対馬嘉三郎
北鳴新報 34. 6.15創刊伊東正三記者野口雨情
北海タイムス 34. 9. 3再刊阿部宇之八東武道毎日,北門,北海時事合同
北海民報 34.10.15創刊上野貫一
札幌新聞 34.12 創刊山口正峻
北海実業新報 35. 2. 5創刊佐々木鉄之助『北海案内』を刊行
北辰新報 35. 2.11創刊坂本直寛,岡村三治
村田正一良
北星新報 35.12.21発行上野貫一前身『北政日報』の改題
北門新報 36. 6. 2発行村上祐前身『北辰日報』の改題
北門新報 39.11.11再刊村上祐編集記者佐々木鉄之助
北海道新聞 40.12.11再刊伊東正三前身『北鳴新報』の改題
日本実業新聞 40 創刊
北海実業公論 41. 2.11創刊佐々木鉄之助のち『札幌実業新報』と改題
札幌新聞 41. 3. 1創刊中西六三郎
北海都新聞 41. 5.19創刊大内古城
札幌毎日新聞 44. 3. 7創刊木下成太郎発行兼編集人阿由葉義郎
北海日日新聞 44.11. 3創刊岡上並
北海公論 45. 4.25創刊桜庭善一郎九月桜庭病床に倒れ継続不能
自由民報大 3. 1創刊大久保逸郎のち『札幌毎日新聞』に吸収
北海日報  3. 7創刊桜庭善一郎半年後に廃刊となる
北海道報  3.11. 5再刊木下成太郎大正七年から休刊
日露実業新報  4. 3. 2創刊上田主幹第二号以降は東京で発行
北海報知  4. 3.24創刊鈴木源十郎
札幌毎日新聞  5. 2.28再刊吉田重貞五社合同,前身『北海時報』
北海時報  5. 8. 3創刊吉田敬一
北海新報  8. 12創刊永勢㴞陽
北海道新聞  9. 4再刊尾崎天風,石田北洋休刊中の『北海道報』を譲受
時事新報 11. 5創刊
功刀真一『北海道・樺太の新聞雑誌』第三編新聞年表より作成。