箱館六箇場所の和人

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 昆布の採取も箱館、亀田近辺からしだいに六箇場所(小安・戸井・尻岸内尾札部茅部野田追)に及んだが、六箇場所蝦夷地に属していたので、和人は、はじめ出稼ぎしてアイヌとともに採取し、その後いつかその地に土着するものもあり、小安場所のごときは寛文年間に数戸の和人部落を見るようになった。採取季節については、「春はソウマイ昆布と申し三~四月頃は最中、本昆布は六、七月より外、法度に御座候」(『松前東西管窺』)とあって、採取期についての禁制があった。なおソウマイというのは棹前という意味で、本昆布は多く棹で採るところから、いわゆる季節前の若生いを採ることをいった。