明治四一年の函館毎日新聞の海運広告は、沿岸の海運の繁昌を伝えている。
〓樋口回漕店と〓板村商船部はおもに戸井・尻岸内、八宮本回漕店は椴法華・銚子行。尾札部・臼尻へ〓(やまさんぎ)工藤海運部は、鳳至丸・茅部丸の定期貨客船を運航させている。
定期航路状況 (函館毎日新聞/明治41・12・29)
苫島丸 佐渡 伏木行 十二月三十日後二時
北洋丸 室蘭寄港 宮古行 十二月三十日後四時
第三古宇丸 戸井・尻岸内 根田内行 毎日夜半
厚田丸 戸井 椴法華行 毎日夜半
苫前丸 戸井 椴法華古部行 毎日夜半
但シ戸井古部行ハ運賃現払ノ事
電話 店用一五七・荷捌七〇七 〓 樋口回漕店
観音丸 椴法華 銚子行 十二月十九日後十時
南部丸 同所行
第二北越丸 新潟 佐渡行
第一北越丸 同所行
幸明丸 土崎酒田 本荘加茂行
太平丸 酒田 加茂行
電話二四八 ハ宮本回漕店
定期有川丸 64t 古武井直航 毎日後十時 同上
定期第一丸 68t 汐首・戸井 日浦・尻岸内行 毎日後十時 戸井・日浦・尻岸内・根田内・古武井行
定期先山丸 古武井・戸井 根田内・椴法華行 戸井・日浦・尻岸内・古武井 行
定期無事丸 釜谷・小安・汐首・瀬田来・尻岸内・戸井行
定期厚岸丸 同所行 同
電話四四九 〓 板村商船部 板村祐右衛門
鳳至丸 67t 板木・臼尻・熊泊 鹿部・本別行 一月二日出帆 一月十六日後十時
茅部丸 82t 椴法華・古部・木直 見日・尾札部・川汲行 一月二日後十時 一月十七日後十時
(注意)出帆当日貨物積切前十時限
〓 工藤海運部 工藤嘉七