寛文元年(一六六一)から慶応四年(=明治元年〈一八六八〉)に至る、約二〇〇年間の津軽弘前藩政に関する公式記録。弘前城中で記録されたものを「御国(おくに)日記」といい、江戸の上屋敷(かみやしき)で記録されたものを「江戸日記」と称する。「御国日記」には、寛文元年から元治元年(一八六四)に至る領内の政治に関する各項目に加えて、江戸藩邸からの用状の控(ひかえ)なども収められ、総冊数は三三〇一冊。「江戸日記」は国元や幕府との連絡事項、藩主の交際に関すること等が主な内容で、総冊数は一二一四冊。寛文八年から慶応四年の記録。両者とも御用留などを整理し、清書したものである。その意味では第二次的史料の性質を持つが、津軽弘前藩政史研究のきわめて貴重な基本史料で、弘前市立図書館に収蔵されている。