二 浅利騒動への加担

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 浅利騒動(あさりそうどう)とは、大名秋田実季と、その領主権力から独立を果たそうとする比内郡浅利頼平(あさりよりひら)との抗争である。このような騒動は、近世大名家臣団統制を図り領主権力を強化しようとしていた近世初期には、日本のどの地域でもみられたものである。しかし、この浅利騒動は、単に一地方の大名領内の問題に終わらず、豊臣政権成する奉行や有力大名のほか、周辺の大名津軽為信南部信直をも巻き込む大きな騒動へと発展したところにその特徴があった。しかしそれは、偶然にもたらされたものではなく、秋田氏が置かれていた歴史的条件によって必然的に起こったものであった。