稲荷宮(現新寺町稲荷
神社)は、
江戸浅草にあった熊谷(くまがい)稲荷を祀ったものである。熊谷安左衛門が狐つきを落としたことから本法寺(現東京都台東区)と浅草寺に熊谷稲荷を創建し、
江戸町民の信仰を集めた。弟子の
貞昌寺隠居入誉が、
貞昌寺内に勧請したところ、この稲荷を祀る所が繁栄するというので、宝永五年(一七〇六)、信政が新寺町へ創建した。
白狐寺を
別当とし、
神職を置かなかった。五穀成就や
藩主家安全の
祈祷を行うほか、文化九年(一八一二)、富籤の発行により修復を行った。
神仏分離によって
白狐寺は廃寺となり、社名を変えた(篠村正雄「
津軽信政の稲荷信仰」『市史ひろさき』八)。
図233.稲荷宮の額