基本的には北麓から連続する
弥生面が分布するが、
蔵助沢、後長根沢、そして
多沢川から
鶏川にかけては大きく浸食されている。また扇端側の
丘陵をも浸食し、各流域沿いに新期の
火山麓扇状地(
百沢面と呼称)が帯状に分布している。たとえば、
岩木山神社および
高照神社は
弥生面に、百沢小学校は
百沢面に位置し、
岩木山神社から弥生にかけては起伏に富む
地形となっていることからも理解できる。
百沢面は南麓には広く分布するが、南東麓においては緩傾斜面であって、水田として利用され、扇端部には
扇状地性の低湿地が認められる。なお、昭和五十年(一九七五)八月の
百沢土石流は
岩木山神社東縁の
蔵助沢で発生し、
青森県災害史上最大の被害をもたらした(写真11)。古くは「山
津波」と呼ばれ、巨大な岩塊を先頭部にもつ
土石流フロントが百沢集落を直撃し、二〇余名の尊い生命を奪った。
写真11 蔵助沢で発生した土石流では長さ数百mにも及ぶ巨礫群が集落を直撃した。(先端部は砂防ダムの欠損部分)