図14 岩木山八合目スカイライン駐車場付近での腐植土中の降下軽石層
鳥海山溶岩が、上述のように約一万年前の噴火と推定すると、標高一五五〇メートルの御倉石および岩木山(狭義)は縄文時代の噴火活動で形成されたことになる。岩木火山の歴史時代における火山活動の記録については、『津軽の岩木山』(宮城、一九七一)に記述されていて、その火山活動の一覧を表3に示した。
表3 津軽藩時代の火山活動一覧表(宮城一男,1971より転載) |
噴 火 年 代 | 活動の型式 | 場所 | 放出物 | その他(1) | その他(2) | ||||||||||
噴 火 | 水 蒸 気 爆 発 | 鳥 の 海 | 湯 の 沢 | 鳥 海 山 | 湯 の 沢 | 山 頂 | 本 質 | 類 質 | 泥 流 | 硫 黄 | 温 泉 | 電 光 | 鳴 動 | 山 崩 れ | 地 震 | |
1571 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1597 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1600 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
〃 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||
1604 | ○ | ○ | |||||||||||||
1605 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1618 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1638 | ○ | ○ | |||||||||||||
1640 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||
1667 | ○ | ○ | |||||||||||||
1672 | ○ | ○ | |||||||||||||
〃 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
1686 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1694 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1709 | ○ | ○ | |||||||||||||
1770 | ○ | ○ | |||||||||||||
1782 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
1783 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
〃 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
1790 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
1793 | ○ | ○ | |||||||||||||
1794 | ○ | ○ | |||||||||||||
1799 | ○ | ||||||||||||||
1800 | ○ | ○ | |||||||||||||
1807 | ○ | ○ | |||||||||||||
1833 | ○ | ○ | |||||||||||||
1844 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
1845 | ○ | ○ | |||||||||||||
1848 | ○ | ○ | |||||||||||||
1856 | ○ | ○ | |||||||||||||
1863 | ○ | ○ | ○ |
これによると、最初の噴火記録は一五七一年で、一六〇〇年には鳥ノ海爆裂火口で水蒸気爆発があり、砂塵を舞い上げ泥流が発生している。一七〇九年から約七〇年間の休止期をはさんで、一七八二年以降に再び水蒸気爆発に関する噴火記録が多くなり、噴火場所が湯ノ沢から鳥海山にかけて集中している。