幹線道路建設

738 ~ 741 / 965ページ
ここで、『新弘前市総合開発計画』(昭和五十九年)の記載によりつつ、道路建設の進展を見ておきたい。まず、弘前市とその近郊の基幹道路建設に関して見ると、まず東北縦貫自動車道の開通が重要である。東北縦貫自動車道は、昭和五十四年(一九七九)に、青森から大鰐・弘前インターチェンジ間まで開通し、翌五十五年には碇ヶ関インターチェンジまで開通した。また、昭和六十一年に青森から埼玉県川口まで、全線が開通した。この結果、津軽地域は首都圏と直接結ばれ、高速交通体系に組み込まれることになった。
 次に弘前市内を通る国道は、国道七号及び国道一〇二号の二線があり、舗装改良とも完了している。国道七号は、平成元年に高田地区が四車線化し、東北縦貫自動車道大鰐・弘前インターチェンジへのアクセス道路ともなっている。また国道一〇二号バイパスが東北縦貫自動車道黒石インターチェンジへのアクセス道路として、また、弘前・黒石を最短距離で結ぶ路線として工事が進められ、昭和六十二年に暫定二車線で開通している。
 県道は、市域内に、昭和五十九年時点で二三路線ある。県道弘前環状線は昭和五十五年度の城北大橋の開通により市北部の交通緩和に役立ち、続いて拡幅改良と変則五差路の整備が続けられた。一方、昭和五十八年度に全線県道として供用開始になった県道岩崎西目屋弘前線(旧弘西林道及び旧県道尾太弘前線)は県土横断道路の一部としての役割を担うものである。
 県営の都市計画街路事業としては、昭和五十五年度に都市計画街路三・三・七号弘前・黒石線が松森町までの完成をみ、また、昭和四十九年度から市営で続けてきた三・三・四号弘前駅・下白銀町線が県営移管によって事業促進が図られており、この街路の完成が市街地内の交通の在り方の再検討の土台となる。

写真223 和徳地区土地区画整理事業施行区域と国道7号

 県営の農道事業としては、弘前南部地区広域営農団地農道(アップルロード)が、昭和五十四年度に完成をみ、弘前市南部地区の環状路線としての役割を発揮しているが、昭和五十五年度からは、津軽中部地区広域営農団地農道が港湾建設の進められている鰺ヶ沢町へ向かって岩木山ろく開発に結びつく基幹道路として、県道弘前環状線と連結しての事業が進められている。
 弘前西バイパス(岩木川右岸環状線)は、既に悪戸~岩木橋間が昭和五十六年度に完成し、次いで富士見橋までの間は都市計画街路事業で整備中であり、そこから城北大橋までの間は、昭和五十七年度完成した堤防道路に市道路線の認定を行い、整備に着手する計画となっている。
 昭和五十九年時点での基幹道路建設の方向は次のものであった。
新空港へのアクセス道路の一部でもある国道七号の平川橋から三・三・二号富士見町・撫牛子線交差点までの間の四車線化及び堅田地区の立体交差を第九次道路整備五箇年計画の中で取り上げられるよう要望するとともに、常盤バイパス及び浪岡バイパスの事業促進を図る。

②国道一〇二号バイパスの東北縦貫自動車道全線開通と同時供用(暫定二車線)を期する。

③津軽地域を縦断する幹線道路として国道三三九号、また県土を横断する幹線道路として三九四号の整備促進を図る。

④環状路線のうち弘前西バイパスの未整備区間である岩木橋~富士見橋間一・二キロメートルの都市計画街路三・五・一号改良事業を昭和六十年度までに、富士見橋~城北大橋間の堤防道路一・八キロメートルも昭和五十八年度中に市道認定を行い、地方道整備事業として昭和六十五年度までにそれぞれ完成させる。

⑤市街地北側の環状路線として県道弘前環状線の城北大橋~撫牛子間の事業促進を図る。また、石渡地区の県道交差部(変則五差路)の改良促進を働きかける。

⑥県道岩崎西目屋弘前線の目屋バイパス建設のほか、特に旧弘西林道部分の県道レベルでの整備促進を期する。

⑦三・三・四号弘前駅・下白銀町線の事業促進を図る。

⑧中環状路線として、また国道一〇二号バイパスと市西部を結ぶ路線として、三・三・七号弘前・黒石線の松森町から富田三丁目間の都市計画街路事業の実施を図る。

⑨高長根山総合開発地区への連絡幹線道路である県道弘前鰺ヶ沢線・県道五所川原岩木線等は、高杉地区で変形十字路となり交通に支障を来しているが、抜本的な解決策として集落を迂回するバイパス設置を要望していく。

⑩そのほかの県道については、全線の舗装整備と拡幅等の二次改良及びバイパス建設の促進を要請していく。

(前掲『新弘前市総合開発計画』)