表-14 各種学校一覧 |
開設年月日 | 学校名 | 教科名 | 修業年限 | 廃止年月日 | 住所 | 設置者 |
20・1・15 | スミス女塾 | 英 | 三カ月 | 北一西六 | スミス | |
20・4 | 英語講習所 | 英 | 長谷川豊太郎 | |||
20・7・11 | 札幌女子職業学校 | 裁・洗濯・編物・刺繍・家事・読書・算術 | 三年・一年・二年 | 22・7・30 | 北一西四 | 三吉笑吾 |
20・12・15 | 札幌簿記学伝習所 | 簿 | 七カ月 | 23 | 南四西五 | 中村健太郎 |
20 | 北海学校 | 漢 | 田中文治郎 | |||
21・3・1 | 敬業塾(館) | 漢・数・英・普通科 | 四年 | 25 | 南三西六ノ二 | 大谷發 |
21・9・15 | 独逸学講習所 | 独 | 二年 | 24 | 北一西七ノ三 | 玉井喜作 |
21・12 | 北海道電気通信技術伝習生養成所 | 電気通信技術・電信法規・通信機械取付方と調度・アラビア数字およびローマ字 | 六カ月 | |||
22・1・21 | 北海道庁監獄署内看守教習所 | 監獄実務 | 六〇日(前期) 九〇日(後期) | 苗穂監獄署内 | 北海道庁監獄署 | |
22 | 札幌養蚕伝習所 | 養蚕 | 六カ月 | 北一西一九 | 北海道庁殖民課 | |
22・6・1 | 札幌薬学校 | 化・物・調剤・製薬 | 二年 | 24・5 | 南四西一ノ一三 | 勝山忠雄 |
24・2・11 | 北海女学校 | 普通科 | 36・3 | 南二西四 | 北村暎吉 | |
22・12・1 | 育成学校 | 漢・英・数・倫 | 六年 | 南三西五ノ一二 | 安田貞謹 | |
22 | 看護学校 | |||||
23・3 | 札幌簿記専修学校 | 簿 | 一年 | 島津千代松 | ||
23・4 | 札幌産婆学校 | 産婆 | 八カ月 | 南一東二 | 堀田マチ | |
23・9 | 進取学舎 | 和・英・数・画 | 四年 | 板垣静介 | ||
23・9 | 共立学舎 | 簿 | 一年 | 24・1・21 | 南一西五 | 春名鍵之助 |
23・10 | 遷喬舎 | 漢 | 三年 | 佐藤信政 | ||
23・12・1 | 時習館 | 漢・英・数・簿 | 三年 | 南二西六 | 富所廣吉 | |
24・6・17 | 時習館附属小学校 | 小学・簿・英・数・漢 | 南二西六 | 富所廣吉 | ||
24・6 | 札幌実業学校 | 普通科・農芸科 | 南三西五ノ一二 | 三摩三策 | ||
24・8・23 | 太平学校 | 簡易普通科 | 三年 | 26・3・6 | 南一西八 | 木村東吉 |
24・9・11 | 北海道庁巡査教習所 | 整式・警察法・刑法及刑事訴訟法要領・捕縄法・撃剣柔術及喞筒使用法 | 北一東一 | 北海道庁警察部所管 | ||
24・9 | 北鳴学校 | 尋常中学科 | 五年 | 28・3 | 北八西四 | 堀基 |
25・1・12 | 旭学校附属小学校 | 普通科 | 四年 | 南三西六 | 大谷發 | |
25・5 | 簿記専門学校 | 簿・商業官庁銀行用 | 六カ月 | 南五西六 | 浅野直三郎 | |
25・8・15 | 北洲学舎 | 普通小学・数・英・漢 | 26・1・25 | 南三西五 | 小牧織次郎 | |
25 | 札幌簿記学校 | 簿記 | 九カ月 | 南一東四 | 仙田登太郎 | |
24・12・1 | 北海道露語研究会のち露清語学校 | 露・普通科 | 33 | 北一西三 | 中野二郎 | |
26・2 | 速成学館 | 和漢・英・数・土木・修 | 六カ月 三年 | 南二西六ノ一〇 | 高橋棟 | |
26・4 | 進修学舎 | 漢 | 南三西八 | 丸山子堅 | ||
27・1 | 北海英語学校附設商業夜学科 | 商 | 浅羽靖 | |||
27・8 | 札幌産婆教習所 | 解剖・生理・看護法・産婆術実習・模型実務外四科 | 本科二年 専攻科一年 | 北一西八 | 佐山英雄 (のち撫養円太郎) | |
27 | 遠友夜学校 | 修・国・地・歴・算・図・唱・小学普通科 | 本科三年 予科一年 | 南四東四 | 新渡戸稲造 | |
28・11 | 三成学館 | 漢 | 北四西四 | 夏井庄六 | ||
28・12 | 上守寺子屋 | 読・書・算 | 北八西二 | 上守祐真 | ||
29・8・3 | 裁縫専門学校 | 修・国語・裁・刺繍 | 三年 | 南一西四 | 字野伊三郎 | |
30・2 | 日本赤十字社北海道支部救護養成所 | 看護 | 北一西五 | |||
33・4・2 | 北海露語学校 | 露語・清語・国文・数学・倫・外六科 | 普通科四年 専科三年 | 37・10 | 北六東二 | 対馬嘉三郎 |
30・4・1 | 北海真宗学館 | 読・修・宗教 | 34・3 | 南七西七 | 大照徳順 | |
30・5 | 簡易土木工学校 | 運輸・測量・道路・橋架・築港・数学・実習製図 | 二年 | 北三西七 | 北村廣吉 | |
30・11 | 行余学校 | 普通科 | 北六東二 | 北海道製麻会社 | ||
30 | 鉄道運輸事務伝習所 | 北六西四 | ||||
31・9 | 真明塾 | 修・読 | 北三西七 | 神楽江董 | ||
31・11・25 | 札幌商業研究会 | 商法・経済・簿記・英語 | 大通西三 | |||
32・10 | 札幌青年学校 | 北三西五 | ||||
32・12 | 北海道庁給仕教育舎 | 国・算・作・習・英外三 | 四年 | 北一西五ノ一 | 小野徳太郎 | |
32 | 幌南学校 | 普通科 | 三年 | 41・8・31 | 中島遊園地 | 山崎孝太郎 |
32 | 北海女学校夜学部 | 英語・国語・漢学・数学 | 36・3 | 大通東三 | 北村暎吉 |
1 山崎長吉『札幌教育史』上巻および新聞資料などによる。 2 国-国語 算-算術 作-作文 習-習字 読-読書 英-英語 独-独語 漢-漢学 修-修身 裁-裁縫 商-商業 画-画学 数-数学 簿-簿記 化-化学 物-物理 倫-倫理 和-和学 地-地理 歴-歴史 書-書取 |
小学校に類するもの以外についてみると、語学漢学を主とするものおよび職業教育を主とするものの多いのが特徴的といえよう。語学を主としたものの中には、表には記載されていないが、十八年設立の北海英語学校は、札幌農学校予科受験の関係で数学、漢学等を加え、さらに予備科をおいたほか、二十七年に附設商業夜学科をおいた。スミス女学校は、前述のとおり北海道尋常師範学校の御雇英語教師とし赴任したサラ・クララ・スミスによって設立された私塾である。
また、札幌女子職業学校はその内容はその名と異なって、職業教育を主としたものとは考えにくい。まず教科は読書、算術等の普通科目のほか、料理、洗濯等があるが、いずれも西洋洗濯、西洋料理など和洋双方があり、また生徒はほとんど「官吏の妻女」であって、それ以外は入学できないと誤認するものもあり(北海道毎日新聞 二十一年二月十一日付)、かつ授業料も高額(原則月一円)である。これらからすると、この学校はむしろのちにいう花嫁学校的なものといえる。
これ以外の職業学校の設立にもいくつかの場合があった。たとえばほぼ民間で設立したものとして速成学館の土木学科、さらに簡易土木学校などがある。二十年設立の札幌簿記学伝習所などもこれに含まれるであろう。また民間の設立ではあるが、札幌薬学校、札幌産婆学校のように、区立札幌病院の連携と協力により設立、運営されたものもあった。また官庁がその必要上設置したものとしては北海道電気通信技術伝習生養成所(札幌電信局内)、北海道庁監獄署内看守教習所、札幌養蚕伝習所、北海道庁巡査教習所等があり、それぞれの官庁業務遂行上必要な人材養成を行った。