札幌都市計画街路は、街路の等級を幅員により広路、一等大路、二等大路、一等小路、二等小路の五つに分け、さらに一、二等大路を第一～三類に分け、全部で九種類に分類した。その幅員とは、広路は幅員四四メートル(二四間)以上、一等大路第一類は三六メートル(二〇間)以上、一等大路第二類は二九メートル(一六間)以上、一等大路第三類は二二メートル(一二間)以上、二等大路第一類は一八メートル(一〇間)以上、二等大路第二類は一五メートル(八間)以上、二等大路第三類は一一メートル(六間)以上、一等小路は七メートル(四間)以上、二等小路は四メートル(二間)以上に分けられている。この時に決定した街路は、図3及び表9の通りである(この時には小路は指定されなかった)。設定の理由書には「市ノ中央部ハ明治四年開拓使ノ計画ニ係リ、従ッテ街衢整然其ノ幅員広闊ニシテ概ネ十一間及六間ヲ有ス。殊ニ大通ト称セラルルモノハ其ノ幅員五十八間ヲ有スト雖モ市ノ発達ニ伴ヒ不規則ナル街衢随所ニ現ハレ、殊ニ市内ノ一部及隣接町村ノ区域ハ道路甚ダ不整而モ幅員狭隘ニシテ近代的交通機関ノ利用ニ適セサルモノアリ。茲ニ於テ街路網計画ヲ決定シ、都市構築ノ根幹ヲ示シ、交通上ノ欠陥ヲ除去スルト共ニ系統的交通網ヲ確立スルハ実ニ現下ノ急務ニ属ス」として、街路網を都市計画の根幹と位置づけている。そして中央部の整然とした区画に対し、多少不規則になっている周辺部には漸次放射状並びに環状に幹線を配し、この幹線を基準にして補助幹線を配置するとした。さらに、市民の保健及び都市の美観上から、緑樹帯を公園や自然緑地と連携をとった広路や緑樹帯を考慮した幹線街路を配したともする(公文雑纂)。これは後の風致地区指定に結びつくものと思われる。