ボーリング資料をみると、清野袋および向外瀬付近(二一~二二メートル)では深度約八メートルまでは亜角礫~円礫を多量に含む砂礫層が堆積しているが、時として厚さ約一メートルの円礫を含む淘汰不良の砂層が認められる。浜の町の市営住宅(二七メートル)では、最上部に厚さ一メートルの小礫混じりの砂質シルトが認められるが、全体として一〇メートル以上の厚さをもつ砂礫層が堆積している。砂礫層は崩壊が著しく、礫径〇・五センチメートルを主体とする円磨度の高い円礫を多量に含んでいる。この砂礫層は岩木川の氾濫によって供給された堆積物で、流域に沿って微高地を形成している。
一方、岩木川東岸にあっては堆積物の特徴が異なっている。板柳中央病院(一六メートル)でのボーリング資料をみると、上位に暗青灰色のシルトと砂層(厚さ約九メートル)、下位には砂礫層(三・五~五・五メートル)を挟む暗青灰色のシルトと砂の互層(二〇メートル以上)が堆積している。上位層はN値が四未満と軟弱であり、砂礫層直上の砂層底部(地表下約八メートル)からは埋もれ木が採取されている。下位層も砂礫層を除くと、シルトと砂の互層部分はN値が一〇未満と軟弱である。シルトの一部が有機質であって、砂礫層およびシルト層底部には埋もれ木が認められる(図33)。藤崎でも同様な堆積物が認められ、たとえば西豊田地区の浄水場(二〇メートル)では地表下約一三メートルまではシルトを主体とした軟弱な堆積物(N値八未満)で、下位には厚さ約八メートルの砂礫層が堆積している。
図33 板柳地区でのボーリング資料