天明三年に頻発した騒動

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飢饉の直前、天三年(一七八三)七月、津軽領では、藩最大の町であった青森をはじめとして弘前鰺ヶ沢などの城下町町で、打ちこわし騒動が相次いで発生した。津軽領でこのように凶作による騒動が短期間に集中したことは初めてで、「飢餓移出(きがいしゅつ)」を招いた藩政への批判を初めて公にしたものであった。その性格は、三都依存体制のもと廻米強化を余儀なくされた津軽弘前藩に対し、最低限の食糧の確保すらできない危険性を察知した町方住人の自衛のための闘争といえる。