なお市会所・区務所・区役所の役員・吏員等の名前と分掌について、諸史料を検討してほぼ判明した分は、制度の変遷に見合う形であらわすと表5の通りである。
表-5 市会所・区務所・郡区役所の役員及び分掌一覧 |
●明治6年2月の市会所役員及び事務分掌 | |||
区長 | 井出正文 | ||
権区長 | 斎藤実昭 | ||
役員 | 戸長 | 島倉仁之助 | |
副戸長 | 高瀬和三郎, 山口吉太郎, 山口重次郎 | ||
町用掛 | 野島広吉, 小野新太郎, 前田市太郎, 中野繁三郎, 浜中庄兵衛 |
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事務分掌 | 検査方 | 市中一般事務 | 島倉仁之助 |
出納方 | 貸与受納と市会所経費 | 島倉仁之助, 高瀬和三郎, 中野繁三郎, 浜中庄兵衛 |
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受付方 | 願伺届布告 | 山口吉太郎, 山口重次郎, 野島広吉, 小野新太郎, 前田市太郎 |
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●明治7年9月頃の市会所役員 | |||
役員 | 副区長 | 高木宗三郎(第1大区1・2・3小区副区長) | |
戸長 | 管野宜静 | ||
副戸長 | 堺伝助, 富田貞賢, 橋爪正夫 | ||
総代 | 山口重次郎, 北島粂次郎, 渡辺富作, 北村伴次郎 | ||
●明治10年2月頃の第1大区区務所役員 | |||
役員 | 副区長 | 高木宗三郎(第1大区副区長) | |
戸長 | 山口重次郎 | ||
副戸長 | 森本清七, 中川和吉 | ||
総代 | 千葉勇治, 大村耕太郎, 木村嘉, 三浦定吉 | ||
●明治11年12月頃の第1大区区務所役員 | |||
役員 | 区長 | 重久安都男 | |
副区長 | 高木宗三郎 | ||
副戸長 | 森本清七, 中川和吉 | ||
総代 | 千葉勇治, 大村耕太郎, 三浦定吉, 山田奥五郎, 綱島右源太 | ||
●明治13年3月札幌区役所分掌及び市街戸長 | |||
事務分掌 | 区長 | 山崎清躬 | |
庶務科兼戸籍科 | 仁木信義 | ||
戸籍科兼庶務科 | 重久安都男 | ||
租税科兼出納科 | 管野宜静 | ||
戸籍科兼庶務科 | 斎藤皓 | ||
租税科兼出納科 | 羽部篤行 | ||
出納科兼租税科 | 大西久米之丞 | ||
庶務科兼戸籍科 | 秋山有友 | ||
戸長 | 札幌区市街東創成町以東各町戸長 | 綱島右源太 | |
札幌区市街西創成町以西各町戸長 | 中川和吉 |
●明治17年9月区・郡役所分科吏員 | |||
区長兼郡長 | 山崎清躬 | ||
庶務科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
常務 | 区書記兼郡書記 | 縣武雄 | |
衛生 | 御用係 | 長谷川潔 | |
受付 | 雇 | 桑島虎十郎 | |
戸籍科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
兵事 | 御用係 | 長谷川当路 | |
定籍 | 御用係 | 長谷川当路 | |
勧業科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
出納科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
租税科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
地籍 | 区書記兼郡書記 | 宮野昂蔵 | |
徴税 | 区書記兼郡書記 | 宮野昂蔵 | |
学務科 | 区書記兼郡書記 | 斎藤実昭 | |
1.17年吏員氏名の重複は重任と思われる。武田矩常は郡書記が主務,他の書記は区書記が主務と思われる。 2.『市在諸達留』(北大図),『開拓使公文録』(道文6024),『辞令録』(道文1966,2486),『郡区改正書類』(道文3807),『札幌県治類典』(道文8687),『新札幌市史』第7巻などにより作成。 |