元日…若水汲み、家内中屠蘇(とそ)祝い。登城年賀。
四日…御用始め、掃除始め。神前・仏前の供物下げる。
七日…七種(ななくさ)(草)祝い。
八日…平常勤務。
十一日…具足(ぐそく)開き(神前・仏前へ切餅・棒飴)。作事方手斧始め。
十二日…弓始め、乗馬始め。
十三日…鉄炮始め。
十四日…年越し。諸道具へ供餅、臼杵休め、棹休め。
十五日…小正月(若水汲み、粥の汁)。
二十八日…藩士総登城、藩主へ御祝儀言上。
晦日…年越し(餅つき)。厄払い。
(二月)初午…稲荷様へ神酒(みき)・赤飯(せきはん)。
彼岸…仏前・菩提寺へ団子供え。
(三月)三日…上巳(じょうし)(神前へ神酒・色飯(いろめし)・桃の枝)。
二十五日…天満宮へ神酒・色飯。作事方休み。
(四月)一日…衣更(ころもがえ)、藩士は四月中袷着用。
四月中…藩主、革秀寺(かくしゅうじ)・高岡(たかおか)(現高照神社)・岩木山へ参詣。藩主の着城、参府の触れ。
(五月)五日…端午(たんご)(神前へ神酒・色飯)。
十五日…神明宮へ神酒・赤飯。
五月中…宇和野(うわの)(現市内小沢字大開(おおびらき))で軍立て。藩主、田植仕付を検覧。
(六月)一日…歯固め(神前と仏前へ神酒・雪氷・干餅)。
十四日…香取宮へ神酒・洗米。
十五日…作事方休み。
二十四日…愛宕山(あたごやま)へ神酒・色飯。
二十五日…熊野宮へ神酒・赤飯。
六月中…土用中大暑につき、諸役早退下。
(七月)六日…ねぶた(神前へ神酒・色飯)。
七日…七夕。寺参り(水ほかい)。
十三日…盆。施餓鬼棚へ供物。菩提寺へほかい。盆中は門前にかば火焚き。
十六日…作事方休み。
二十一日…高岡霊社(現高照神社)祭日。城内で拝礼・神楽(かぐら)。
(八月)一日…岩木山大祭日。
(九月)一日…衣更(ころもがえ)(翌年五月四日まで。袷・綿入・裏付袴)。
九日…重陽(ちょうよう)(神前と仏前へ神酒・栗飯・菊の枝)。
(十月)一日…炉開き(諸局へ火鉢を配る――翌年三月十日まで)。
十四日…十夜(じゅうや)(六日~十五日まで)。仏前へ十四日・十五日膳を供える。
(十一月)二十三日…大師様(大師講のこと。神前へ小豆粥・萱の長箸)。
(十二月)一日…岩木様(岩木山へ神酒・大しとぎ)。
五日…戎(えびす)様(床前へ戎様のお堂と大黒(だいこく)様をお客に祭り、神酒・しとぎ・膳を供える)。
八日…薬師様(神酒・しとぎ)。
九日…大黒様(床前へ大黒様のお堂と戎様をお客に祭り、神酒・いり(煎り)大豆・膳を供える)。
十一日…山の神様(神酒・しとぎ)。
十三日…城中煤払い。
十五日…熊野様(神酒・しとぎ)。
二十七日…作事方で城中御門ごとに松飾り。
二十九日…諸局・諸席は御用仕舞い。
晦日…年越し。門松、蓬莱飾り、神前・仏前へ供えつけ。
十二月中…煤払い。餅つき。
四日…御用始め、掃除始め。神前・仏前の供物下げる。
七日…七種(ななくさ)(草)祝い。
八日…平常勤務。
十一日…具足(ぐそく)開き(神前・仏前へ切餅・棒飴)。作事方手斧始め。
十二日…弓始め、乗馬始め。
十三日…鉄炮始め。
十四日…年越し。諸道具へ供餅、臼杵休め、棹休め。
十五日…小正月(若水汲み、粥の汁)。
二十八日…藩士総登城、藩主へ御祝儀言上。
晦日…年越し(餅つき)。厄払い。
(二月)初午…稲荷様へ神酒(みき)・赤飯(せきはん)。
彼岸…仏前・菩提寺へ団子供え。
(三月)三日…上巳(じょうし)(神前へ神酒・色飯(いろめし)・桃の枝)。
二十五日…天満宮へ神酒・色飯。作事方休み。
(四月)一日…衣更(ころもがえ)、藩士は四月中袷着用。
四月中…藩主、革秀寺(かくしゅうじ)・高岡(たかおか)(現高照神社)・岩木山へ参詣。藩主の着城、参府の触れ。
(五月)五日…端午(たんご)(神前へ神酒・色飯)。
十五日…神明宮へ神酒・赤飯。
五月中…宇和野(うわの)(現市内小沢字大開(おおびらき))で軍立て。藩主、田植仕付を検覧。
(六月)一日…歯固め(神前と仏前へ神酒・雪氷・干餅)。
十四日…香取宮へ神酒・洗米。
十五日…作事方休み。
二十四日…愛宕山(あたごやま)へ神酒・色飯。
二十五日…熊野宮へ神酒・赤飯。
六月中…土用中大暑につき、諸役早退下。
(七月)六日…ねぶた(神前へ神酒・色飯)。
七日…七夕。寺参り(水ほかい)。
十三日…盆。施餓鬼棚へ供物。菩提寺へほかい。盆中は門前にかば火焚き。
十六日…作事方休み。
二十一日…高岡霊社(現高照神社)祭日。城内で拝礼・神楽(かぐら)。
(八月)一日…岩木山大祭日。
(九月)一日…衣更(ころもがえ)(翌年五月四日まで。袷・綿入・裏付袴)。
九日…重陽(ちょうよう)(神前と仏前へ神酒・栗飯・菊の枝)。
(十月)一日…炉開き(諸局へ火鉢を配る――翌年三月十日まで)。
十四日…十夜(じゅうや)(六日~十五日まで)。仏前へ十四日・十五日膳を供える。
(十一月)二十三日…大師様(大師講のこと。神前へ小豆粥・萱の長箸)。
(十二月)一日…岩木様(岩木山へ神酒・大しとぎ)。
五日…戎(えびす)様(床前へ戎様のお堂と大黒(だいこく)様をお客に祭り、神酒・しとぎ・膳を供える)。
八日…薬師様(神酒・しとぎ)。
九日…大黒様(床前へ大黒様のお堂と戎様をお客に祭り、神酒・いり(煎り)大豆・膳を供える)。
十一日…山の神様(神酒・しとぎ)。
十三日…城中煤払い。
十五日…熊野様(神酒・しとぎ)。
二十七日…作事方で城中御門ごとに松飾り。
二十九日…諸局・諸席は御用仕舞い。
晦日…年越し。門松、蓬莱飾り、神前・仏前へ供えつけ。
十二月中…煤払い。餅つき。
以上あげた年中行事は、藩士特有のもののほか、農民・町人と共通する行事がある(本章二節・三節の日常生活参照)。ただし、藩士特有の行事でも行事内容のわからないものが多いが、なかでも「具足開き」は「私家年中躾帳」に記されているので述べておきたい。
「具足開き」は三八三頁に記されているが、補足すれば近世武家の年中行事とする正月の嘉儀である。将軍家の例に倣って諸侯・旗本の各家々で行われた。徳川家は正月二十日を例としたが、三代将軍家光の忌日が二十日のため、承応元年(一六五二)正月からは十一日となり、諸家もこれに倣った(『国史大辞典』4 一九八四年 吉川弘文館刊)。
図102.御具足御鏡御飾付之図
津軽弘前藩の斎藤家の具足飾りは、床間に具足を飾り、その前に机を据(す)え、その上に熨斗(のし)・栗・昆布を載せた三方(さんぽう)と、神酒(みき)の入った徳利一対および雑煮の膳を載せた三方をそれぞれ配置した。この斎藤家の儀式は安政二年(一八五五)に斎藤六弥が定めたと記されている(前掲「私家年中躾帳」)。